ヒートシンクの熱性能を向上させるためには、さまざまなアプローチがあります。 本ページでは、アルファが一般的に推奨している方法をご紹介します。
なお、最適な手法は、使用環境や条件(設置スペース、エアフローの条件など)によって大きく異なります。 さらに、各手法の効果やコストパフォーマンスも状況によって異なります。
特定の設計条件に基づいた最適化や評価が必要な場合は、 営業部 までお問い合わせください。 お客様の用途に最適な熱対策ソリューションをご提案いたします。
ベースサイズを大きくして表面積を増やすことは、熱性能を向上させるためのシンプルかつ効果的な方法です。
アルファでは幅広い標準ヒートシンクサイズを提供しており (ヒートシンク・ベースサイズ早見表は こちら )、用途に適したモデルの選択が可能です。
適切なサイズが見つからない場合でも、 最小限の追加コストでカスタマイズが可能です。 また、 FSW(摩擦攪拌溶接)を用いて規格ヒートシンクを接合することで、規格サイズよりも 大きなヒートシンクの作成にも対応しています。
(最大サイズ:400x190(mm))
ヒートシンクの全高を高くすることも、熱性能を向上させるためのシンプルで効果的な方法です。
各標準ヒートシンクの製品ページには複数の全高オプション(例:LPD70ヒートシンクページ)が用意されており、用途に応じた最適な高さを簡単に選択できます。 また、フィン長やベース厚みに関しても柔軟に対応しており、最小限の追加コストで追加工が可能です。
条件によっては、フィンの長さを部分的に変更する段カットを採用することで、表面積を最大化できることもあります。
用途に合わせてフィンパターンを最適化することは、熱性能を向上させるための最も効果的な方法の一つです。 強制空冷下では、フィン密度が高いフィンパターンを選択することで表面積が増え、優れた熱性能を発揮します。
一方、低風量または無風条件では、圧力損失を抑えたN シリーズやLPD シリーズのような 密度の低いフィンパターンの方が、より高いパフォーマンスを得られることが多くあります。
当社のウェブサイトでは、使用環境に基づいて最適なフィンパターンを検討するのに役立つ 「サーマルシミュレーション」を提供しています。 また、強制空冷・自然空冷のいずれの場合でも、空気の流れや重力の方向に沿ってフィンの向きを調整することが重要です。
ヒートシンクの周囲を通り抜けてしまう「バイパスエアフロー」は、冷却性能を著しく低下させます。
これは、ヒートシンクの周囲に大きな隙間があると、冷却風の多くがフィン内部を通らずに逃げてしまうためです。
「 1. ベースサイズを大きくする」および「2. 全高を高くする」にて紹介した手法は、ヒートシンクの表面積を増やすだけでなく、 空気が迂回する領域を狭める効果もあります。これにより、フィン内部を通過する風の量が増え、冷却性能が向上します。
上 : ダクトあり
下 : ダクトなし
TIM(サーマル・インターフェース・マテリアル)は、熱性能を左右する極めて重要な要素です。
特に熱源とヒートシンクの接触面積が小さい場合や、発熱量が高い場合には、より高性能なTIMの使用が効果的です。
また、用途に適した種類のTIMを選定することも欠かせません。
例えば、1つのヒートシンクで複数の熱源を同時に冷却するような場合では、各部品の高さのバラつきを吸収できる、厚手で柔軟なギャップフィラーが必要となります。 詳細はこちらをご確認ください。
アルファでは、様々なTIMをご用意しており、お客様の用途や要求仕様に最適な材料を簡単にお選びいただけます。
多くのTIMの熱抵抗値は取付け圧力に依存しており、取付け圧力を高めることで接触熱抵抗が下がり、熱性能が向上します。
アルファでは、Z型クリップ・プッシュピン・段付きねじなど、多彩な取り付けオプションをご用意しており、 お客様のご希望に合わせて荷重の調整ができます。
ただし、過度な荷重はチップの破損や基板の反りを引き起こす恐れがあるため、固定方法や最終的な固定用ハードウェアの選定には十分な注意が必要です。
ヒートシンクにファンを直接取り付けることで、アクティブヒートシンクとして使用することができます。
これは、十分な風量が得られない環境において非常に有効です。
アルファでは、ファン単体での販売から、ファンとヒートシンクのセット品まで多数揃えております。
また、ご要望に応じてカスタムのアクティブヒートシンクを提供することも可能です。
表面処理は「放射率」を左右し、熱放射(輻射)による放熱性能に影響を与えます。
特に「自然空冷」の条件下では、アルマイト処理をお勧めします。 アルマイト処理されたアルミニウムは、未処理のアルミニウムよりも放射率・放熱性能が高まりますが、 自然空冷下において熱放射が放熱全体に占める割合は、強制空冷下のそれよりもはるかに大きくなるためです。
自然空冷用ヒートシンクLPD シリーズ 、 N シリーズは標準でアルマイト処理が施されています。
(左から) 黒アルマイト・白アルマイト・三価クロメート・表面処理無し
熱性能を劇的に改善する手段として、アルミ製ヒートシンクのベース部に銅製ヒートスプレッダを埋め込む方法があります。
熱伝導率に優れた銅を採用することで、熱の広がり抵抗を低減できるため、ヒートシンク底面に対して発熱体が小さい場合に特に高い効果を発揮します。
アルファではUBC シリーズやLC シリーズなどの標準的な銅埋め込み製品を展開していますが、 ほぼ全ての製品において同様のカスタマイズが可能です。
左 : オールアルミヒートシンク (黒アルマイト)
右 : 銅埋め込みアルミヒートシンク
* 埋め込まれた銅の表面にはアルマイト処理はできません。
ヒートシンクのベースにベーパーチャンバーを取り付けることで、熱拡散性能を飛躍的に高めることができます。
これは、ヒートシンクのサイズに対して熱源が極端に小さい場合に非常に有効です。
アルファでは標準ベーパーチャンバーを各種取り揃えており、多くの標準ヒートシンクと組み合わせることが可能です。 組付けには、高熱伝導性の接着剤や、TIMと固定具を用いた方法を採用しています。
アルファでは、液冷ソリューションを必要とするお客様向けに、高性能な水冷ブロックを提供しています。
水冷ブロック内部に微細なフィン構造を設けることで、冷媒との接触面積を大幅に拡大し、熱交換効率を最大化しています。 これにより、従来の空冷では困難だった高出力デバイスの冷却において、安定した高い信頼性を確保できます。
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