自然空冷とは他から強制的に風を受けない無風状態での冷却をさします。
自然空冷の場合、熱源によって暖められたヒートシンクに起こる僅かな対流で
ヒートシンク自体が冷却されます。(自然対流)
フィンピッチの密度が高いヒートシンクでは、フィン間の空気の移動が困難と なり、熱がこもります。
フィンピッチが広い場合
熱が移動しやすい
(自然対流が起きやすい)
フィンピッチが狭い場合
熱が停滞しやすい
(自然対流が起きにくい)
このようなことからヒートシンクはLPD-series 、 N-seriesをお勧めします。
ヒートシンクを実装する時の姿勢も性能に関する重要な要素になります。
対流を妨げるようなフィンの方向にならないように設置する必要があり、
筐体設置姿勢が変わる可能性がある場合は注意して下さい。
図1 フィン上向き
図2 フィン横/鉛直
図3 フィン横/水平
図1、図2のように設置することをお勧めします。
図3のような設置方法では、図2より熱抵抗値が25%程度(弊社試験による)高くなる結果が出ました。
僅かな対流がヒートシンクを冷却することになりますので、コンポーネント配置や筐体が対流を妨げないように考慮してください。
また、風の流れが僅かでもある場合はその方向にフィンの向きを合わせて下さい。
無指向性のピンフィン・タイプN-seriesは設置姿勢に対してより柔軟です。
自然空冷は使用環境によって性能が大きく変わるため、実装での確認を推奨いたします。
自然空冷の環境下ではアルマイト処理されたヒートシンクをお勧めします。
これはアルマイト処理することによって放射率が高くなり、より放熱性能が高まるからです。
自然空冷用ヒートシンクLPD-series 、 N-series は標準でアルマイト処理が施されています。
自然空冷の場合、熱源の熱量(W)によって熱抵抗値(℃/W)が変わります。
熱量が多いほど対流が起きて熱抵抗値としては下がります。
自然空冷時の熱量(W)は概略以下のように表せます。
W = β ・ Δt ^1.25
βを求めることにより、使用Watts時の温度差(Δt)を参考値として算出し、
さらに参考熱抵抗値を求めることが出来ます。
弊社カタログデータの熱抵抗値とWattsからβを求め、参考値を算出して下さい。