はじめに

複数のチップを一つのヒートシンクで冷やすことが求められる場合があります。 そのメリットは ことですが、 熱性能において重要な問題が起こる可能性があります。 ここでは、その設計上の考慮点をまとめました。

設計上の考慮点

複数の熱源を一つのヒートシンクで冷やす際の最も重要な考慮点は、 個々の熱源の高さ違いや公差に対して、どのように対処するかです。
A picture of example heat sink
例えば、二つの同一の電子部品を一つのヒートシンクで冷却すると仮定します。
もし高さの公差が± 0.1 mmであるならば、最大0.2 mmの高さの違いが生じます。そのヒートシンクは一つのチップに接触し、もう一つのチップに接触しないかもしれません。あるいは、そのヒートシンクは両方のチップに接触しますが、傾いている状態かもしれません。どちらの場合でも、不十分な接触のために、重大な熱問題をおこすかもしれません。
この問題に対処するためには二つのアプローチの仕方があります。一つ目のアプローチはサーマルインターフェイスとして、厚くて柔らかい素材(ギャップパッド)を使うことです。このパッドによってどんな隙間も満たされ、ヒートシンクとすべての電子部品が接触するようになります。しかしながらギャップパッドの放熱性能は、グリースやフェイスチェンジマテリアルに比べると、劣っています。もしある一つの熱源が特に重要で熱負荷が高い場合、このアプローチの仕方では、この重要な電子部品の性能と信頼性に重大な影響を及ぼします。
二つめのアプローチは、グリースまたはフェイスチェンジマテリアル(PCM)を最も重要な電子部品に使用し、ギャップマテリアルをその他のデバイスに使うことです。 最も冷却が必要とされるチップには、グリースやPCMなどを使用しますが、これらは厚みが薄いため、ベース面に段差などをつけ、確実にヒートシンクとチップが接触するようにします。それ以外のチップには十分柔らかい素材でその厚みの誤差を吸収します。 この場合は1.よりも荷重vs変形量の大きなギャップフィラーを使用することになります。 この方法は、メインの熱源に対して、個々にヒートシンクを取り付ける場合より、大きな ヒートシンクを取り付けていることになるため、放熱性能は向上する可能性があります。 しかし、メインの熱源に対しヒートシンクが傾く可能性を排除することが出来ません。
A picture of example heat sink
どちらの場合においても、各電子部品がヒートシンクに接触するのに十分なほどギャップパッドが押しつぶされるためには相当の取付荷重を必要とします。 アルファが提案するプッシュピンや段付きネジによる取付では、スプリング力を調整し、荷重を調整することができます。
どちらのアプローチの仕方でも、ギャップフィラーを変形させる為に取り付け荷重を調整する必要があります。 この荷重が熱源に許される圧力以上になる場合にはこの方法の採用は出来ません。 ギャップフィラー自体の厚み公差もありこの選択が非常に困難な場合があります。
メインの熱源の冷却に大きな余裕があるとき以外、複数のチップを一つのヒートシンクで冷やす方法は推奨できません。 しかしながら、お客様の判断において、設計を進めるのであれば、私たちは設計のお手伝いをしますので、お問合せください。 なお、設備能力からくる制限として、ベースサイズの制限があります。現状、約 10,000 mm2がその制限となっています。

まとめ

メリット
  • 品番点数の削減
  • ヒートシンク取付に必要となる面積を減らせる可能性がある
  • ヒートシンクのサイズが大きくなることによって、熱性能が向上する可能性がある
デメリット
  • 熱源へのヒートシンクの接触不良のリスクが高まり、十分な冷却ができない可能性がある。
  • より複雑な設計となる
サイトマップ | お問合せ | © 2012 Alpha Company Ltd.